約1700円ほどで、非常に安い値段であった。平成14年度の鹿児島県本格焼酎鑑評会で、出展数226点の中、総裁賞代表【優等賞第1位】を受賞したのが、この「海童」である。「海童」を造る濱田酒造は、創業は明治元年というから130年以上の伝統ある蔵なのである。濱田酒造は昔ながらの伝統的な製法で造る「伝」や「宇吉」や現代の施設を駆使した革新的な製法も採用している。「海童」は最新の施設で量販用に造られた焼酎であり、大手量販店の酒屋さんで安く売られている。方や、「赤兎馬」をプライベートブランドとして造っている。
 この「摩無志」という銘柄、毒蛇の「マムシ」と同音である。「マムシ」から想像するに、強烈な個性や近づくと危険なものから、麻薬のように虜になる焼酎を連想するが、実際はどうであろう。蔵本の古澤醸造は宮崎日南市にある。創業は明治25年と言うから創立114年と言うことになる。古澤醸造の一番の特徴は宮崎県内唯一の土蔵であることである。土蔵は蔵内の温度を一定に保つことができる。土蔵による焼酎造りはどんな味に仕上がっているのか興味がわくところである。
 
蔵本−古澤醸造合名会社 麹−米麹・白麹
原料−黄金千貫  購入価格−\ 2,499円
購入年月 H18.4

 黒木本店の主力商品の「き六」である。き六の「き」に使われている七を三つ合わせた文字は「喜」を草書で書くと七を三つ合わせたようになるとのことである。
 この「き六」、自宅近所の酒屋さんで購入できた。常時、正規の値段で購入でき、このような酒屋さんは貴重でひいきにしたい。「き六」の裏ラベルには次のように書かれている。『宮崎・児湯の大地で育てた掘りたての芋で仕込んでいます。 手造りの黒麹と自家農園(農芸生産法人「甦る大地の会」)と地元生産者グループにて栽培した(黄金千貫)を原料とし、その日に掘った芋をその日のうちに仕込み、最良の仕込み水と自社培養による独自の酵母を用いて、昔ながらの「かめ」にて酒母を造り、二次仕込み、蒸留を行い二年間以上熟成貯蔵し仕上げました。 まろやかな風味をお楽しみください。』
 




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蔵本−黒木本店 麹−米麹・黒麹  原料−黄金千貫
購入価格−\    円 購入年月 H18.4

 平成11年、鹿児島県の品評会で 最優等賞を受賞している焼酎である。同僚から紹介してもらった酒屋さんに行ってみると、奥の方にこの「なかむら」が置いてあった。近所の酒店でも取り扱いはあるがが、店頭には並んでない。なんでもこの「なかむら」なかなか手に入れにくい焼酎で、幻の焼酎とさえ言われている。幸いにも我が家周辺には、正規の価格で購入できる酒屋さんが複数あり、幻とは思えない。
蔵本−中村酒造 麹−米麹・白麹・手作り麹カメ仕込み
原料−黄金千貫  購入価格−\3,200円 
購入年月 H18.4

 西酒造の創業は1845年で160年以上年続いている蔵である。西酒造の代表銘柄の「富乃宝山」である。プレミア焼酎として取り扱われ4,000円前後で販売されている。しかし、入手は容易で取り扱いのある酒屋を数回のぞくと店頭でよく見かけることができる。おそらく西酒造の生産能力が高いのであろう。
 さて、この「富乃宝山」は全く芋くささはなく洋梨の香りがする焼酎でのどごしがよく、女性にも人気のある焼酎である。「富乃宝山」の製造責任者は、同社専務の西陽一郎氏である。最近にはあのヒット漫画「美味しんぼ」にも登場している。
 「富乃宝山」を造り出したいきさつは、同氏が東京農大在学中に「芋焼酎の蔵か」と同級生に言われ、発憤し造り出したと言われている。また、「これはロックで飲む方がうまいですよ、というのを25度の世界で提案してみたかったんですよね。それで富乃宝山を造ったんですよ。」と氏の言葉である。
 そんな人気の「富乃宝山」は1次仕込みで造られた米麹に水とさつまいもを加えて発酵させて2次仕込みを行うそうである。西酒造では契約農家において有機栽培された黄金千貫だけを使い、「かめ」で約2週間低温で丹念に仕込む。低温で仕込むことによって、あのフルーティーな香りを持つ「富乃宝山」となるそうである。西酒造では単式蒸留機を使っているそうで、この「単式蒸留機」は世界中の伝統的蒸留酒のほとんどで使用されている装置で、原料を麹を使って糖化し発酵させたアルコールを含んだ液体を加熱・煮沸させ、出てくるアルコールや揮発成分を含んだ蒸気を冷やし凝縮させる蒸留機のことである。単式蒸留機で一度だけ蒸留するので、原料の持ち味や特性・風味をあますことなく引き出すことができるのである。さらに、常圧蒸留と減圧蒸留とを蒸留段階で使い分けているそうである。常圧蒸留は伝統的は蒸留方法で、大気圧の下で、釜のもろみの温度が約90度くらいで沸騰する。そのため、アルコールと各成分がしっかりと醸し出され、濃厚な酒質になる。減圧蒸留は、装置全体を減圧(真空)でそれぞれ加熱して蒸発させる。真空度の程度にもよるが、50度くらいで沸騰させることができる。もろみの温度を低い状態で沸騰させると、発酵中のもろみにある軽快な香りをそのまま得ることができるため、雑味成分の少ないソフトな焼酎ができる。西酒造では、このような特性を生かして最初は常圧蒸留を行い、途中で減圧蒸留に切り替えるそうである。こうしてできた原酒を割り水して最低3ヶ月の貯蔵を経て出荷されるそうである。こうやって「富乃宝山」の口に含んだときに柔らかく、喉越しは良く、果実の香りがする焼酎に仕上がっているのである。
 さて、実際の味わいはどんなものだろうか。いつものようにロックで飲んでみる。最もこの「富乃宝山」はロックで飲むことを想定して、開発されたそうで、蔵本推奨の飲み方である。
 口に含んですぐに、マスカットや洋梨のような果実の香りが口の中にいっぱいに広がる。決して甘さが度を過ぎているわけではなく、果実の香りとほのかな甘さが口の中いっぱいに広がってくる。口に含んで、のどを通ってもその余韻は残っていている。きれがあるとは言えないが、いつまでもその香りを楽しむことができる。ロックで飲んでいるので、氷が溶けないううちに、口に含むとほんのわずかだが、アルコールの刺激を感じる。ここらあたりの口触りを向上させるとより一層、上質な焼酎になるのだが。自分で甕壺にでも移し替えて、2年間ほど寝かせてみてはと思う。さすがに、焼酎ブームに火を付けたと言われる焼酎だと思う。口に含んだ瞬間「うまっ」と唸ってぐいぐいと飲んでしまう。これは、2本目をキープしなくては。
蔵本−西酒造 麹−米麹・黄麹
原料−黄金千貫  購入価格−\2,490
購入年月 H18.4

蔵本−濱田酒造    麹−米麹・黒麹
購入価格−\17,01円  購入年月 H18.4
蔵本−霧島町蒸留所 麹−米麹・白麹
原料−アヤムラサキ  購入価格−\2,680
購入年月 H18.4

 霧島町蒸留所は霧島山麓にあり、おいしい水でも有名である。水をためると青みがかって見える。このおいしい水で焼酎が更にまろやかになっていくのだそうだ。霧島山系の水では他に佐藤酒造も同様であり、佐藤が移転できない理由にこの地の水が他に手に入らないとも聞いている。
 この「明るい農村 赤芋仕込み」は2005の秋に初出荷された。この焼酎は、仕込に綾紫(アヤムラサキ)芋を使用してる。アヤムラサキは文字通り赤紫色をしてる。
  赤芋はポリフェノールを豊富に含んでおり、抗酸化作用があり、体に良い食べ物であるとのことである。赤いラベルは、黄金色に染まった田んぼが、オレンジ色の夕日に照らされて、稲穂が輝いて見える、そんな「実りの秋」をイメージして作られている。赤芋仕込「明るい農村」は、赤芋によるフルーティな香りと、やさしい甘さ、すっきりした飲み口が特徴のいも焼酎である。たまたま、入った酒屋に入荷したばかりの「明るい農村 赤芋仕込み」があるではないか。ラッキーと早速購入。この焼酎は、年間2回の出荷のようであって、常時店頭には並んでいない。早速、夜飲んでみた。「うまい」信じられないような甘みが口の中に広がる。この甘みは、アカムラサキ芋の恩恵であろう。そして、芋の薫りが口いっぱいに広がる。人によっては、甘過ぎて甘ったるいという評価をすることもあるだろう。しかし、いやらしい甘さでなく、やさしくまろやかな土の薫りを連想させる焼酎である。紅芋仕立てなので香りがフルーティである。かなり、自己主張をしている焼酎であると思う。その主張は、自分の味覚に共感するものである。
蔵本−黒木本店尾鈴山蒸留所 麹−米麹・白麹
原料−ジョイホワイト  購入価格−\2,350
購入年月 H18.4

 黒木本店があらたに建設した尾鈴山蒸留所で造られている。「尾鈴山」を調べてみると、尾鈴山は宮崎県の中央部の都にあり、山頂まで樹林におおわれているそうである。この山は谷間の数が多く30ほどの滝があり、尾鈴山瀑布群と呼ばれているそうである。
 このことからも、焼酎造りで大切な良質の水が得られることが伺える。なんでもこの水は、超軟水とのことである。 尾鈴山蒸留所では、芋焼酎の「山ねこ」麦焼酎の「山猿」米焼酎の「山翡」の山シリーズ 3銘柄が造り出されている。
 中でも一番人気がこの「山ねこ」で、プレミア焼酎となっており、4000円前後の価格がついている。どの酒屋さんでも店頭にならんでいる姿は見かけない。幸い、とある酒屋さんから一升瓶をわけてもらうことができている。
 さて、「山ねこ」が造られている尾鈴山蒸留所はすべて手造り、常圧蒸留にこだわり、原料や酵母をこれまでとは違ったものを使おうとして造られているそうである。酵母は、自社培養による独自の酵母を使っているそうである。特に、「山ねこ」に使われているサツマイモはジョイホワイト(農林46号)と言って、平成6年に都城農業試験場で開発された焼酎専用の新品種である。ジョイホワイトと言う品種名はマイルドな味が楽しめ、さわやかに酔うことができる焼酎原料用品種であることを表すそうである。また、この芋の特性として、醸造適性に優れ、フルーティな芳香を放ち、淡麗にして飲みやすい焼酎ができるとのことである。なるほど「山ねこ」に通ずる。 このように、原料や手作りにこだわり、2年間以上かめ貯蔵をして醸し出されて造り出されたのが「山ねこ」である。
 今日、2006年5月20日に開栓した。購入して一ヶ月以上立つ。今日、新たに「山ねこ」を手に入れたので開栓する事にした。薫りは、ほのかに甘酸っぱいかをりである。 口に含むと、アルコール臭を感じない。ここらは、長期貯蔵の恩恵であると思う。口に入れるとすっとのどを通りその跡に、どこか「青リンゴ」や「マスカット」のような薫りとほろ苦さを感じる。大変、飲みやすく、ぐいぐいと入り、つい飲み過ぎてしまう。お気に入りの1本である。
蔵本−村尾酒造 麹−米麹・黒麹 原料−黄金千貫・白豊
購入価格−\1,783 購入年月 H18.4

 どうしても「薩摩茶屋」が飲んでみたくて、例によって、時々発注する、とある酒屋さんからネットを通して手に入れた。 酒代 1,783円 送料 735円 箱代180 代引手数料 315円 合計3013円で良心的である。一升瓶で酒屋さんの店頭に正価で並んでいるところを一度も見たことがない。ある酒屋さんで時折、4合瓶が店頭に正価で出されている。
 4合瓶のラベルは、一升瓶のものとは全く違い、薄黄色のラベルである。多くの焼酎はほとんど同じものを付けるが、薩摩茶屋のように全く違うものを付けているのは珍しい。
 さて、3Mと称される「村尾」を造る村尾酒造だが、焼酎ブームになる前は、全く売れないころがあったそうである。現在は村尾さんによると蔵のある薩摩川内市陽成町では「一番大きな蔵と一番小さな蔵が残った」そうである。大きな蔵というのは「さつま五代」で有名な「山元酒造」のことである。現在の村尾酒造の石高は1000石だが、一時は170石(1升瓶17000本)まで落ち込み、しかも売れなかったそうである。家族だけでやっていたから何とか潰れずにできたということだ。それゆえ、村尾さんは、ブームに流されることなく、頑なまでに「村尾」「薩摩茶屋」を守り続けている。村尾さんの造りで最も重要とされる「蒸留」では、「焼酎造りの4割は蒸留で決まる」とし蒸留機の本体から、パイプの曲がり具合に至るまで自らの手で調整しているそうである。
 そんな「薩摩茶屋」に期待しながら、開栓した。アルコールのつんとくるに感じはしない。薩摩茶屋は、仕込みを終えて1ヶ月ぐらいしか寝かせず出荷するそうである。にもかかわらず、アルコールのぴりぴりする刺激がうまく抑えられている。ここらあたりは村尾さんがこだわる手製の蒸留機の恩恵であろうか。一口目の印象は、うまい。まろやかなで、特有な薫りがある。どこか懐かしさを覚える薫りである。落ち着く薫りで心地よい。すっとのどを通り、ぐいぐいと入っていく。価格を考えるととても資質が高い焼酎だと思う。いつも手元に置いておきたい一本である。
蔵本−霧島町蒸留所 麹−米麹・白麹
原料−アヤムラサキ  購入価格−\2,750
購入年月 H18.4




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 「明るい農村 赤芋仕込み」があまりの人気ぶりに蔵元が来年春まで熟成させる予定だった「赤芋仕込み 明るい農村」の一部を限定品として「赤芋仕込み明るい農村 蒸留仕立て」として瓶詰めし、出荷したものである。当然、限定品となり、出荷数も少ないはずだ。ある用件で外出した帰りに、ある酒屋さんに立ち寄ってみた。すると、この蒸留仕立てが置いてあった。ネットではどこも在庫切れなので、購入してみた。この「蒸留仕立て」のラベルは「明るい農村 赤いも仕込み」と比べると、一層、赤い色が強調されている。酒屋さんでは、特に目立つ色合いである。なお、赤いも仕立てでない「明るい農村」は青空をイメージする、青の色調でまとめられている。
 
 楽しみにしながら、ロックで飲んでみた。「明るい農村 赤芋仕込み」はまろやかで甘みが強調されているが、この「蒸留仕立て」は、まだ若さを感じて、まろやかさに欠けているように感じる。次に、3日 ほど前割りして飲んでみると、蒸留仕立ての粗々しさがなくなり、飲みやすくなっている。前割りの恩恵であろう。新酒の奔放さと刺激の強さを楽しみたい人には勧めるがわざわざ、この蒸留仕立てを探して、購入することはないと思う。
蔵本−大久保酒造株式会社 麹−米麹・黒麹
原料−源氏芋  購入価格−\3,500 購入年月 H18.4

 「侍士の門」を造る太久保酒造は鹿児島県曽於郡大崎町にある。前身は1910年創業の久保酒造であるそうである。90年に太久保酒造に変名。年間300石以下という小さな蔵である。この蔵は、「華奴」や「黒粋華奴」「甘宝」を生産している。「日本侍士の会」が、この太久保酒造を「侍士の門」製造委託した一番の理由は、杜氏とともに真剣に焼酎を見守っている酒屋さんの働く蔵であったとのことだ。「日本侍士の会」とは、「日本侍士の会」のホームページによると、全国各地の酒販店が中心となり事務局を設け、酒販店の責任に於いて企画運営し、それに交流する製造元、また良質製品を原料生産で支えている生産農家とが、焼酎を通じてお互いの生き残りを真剣に考えていこうとする、会員制の組織であるとのことである。
 この「侍士の門」は「日本侍士の会」が企画する焼酎の代表銘柄、ステータスともなっており、プレミア焼酎である。ネットでは7,000〜10,000円ほどで売りに出されている。非常に手に入りづらい焼酎である。
 そんな「侍士の門」に使われている米である「白玉」は、1849年頃の日向の国で栽培され、それを福岡の民間人「弥作」という人が持ち帰ったという記録が残っていて鹿児島・宮崎・福岡三県共有の“幻の米”と言われているそうである。この「白玉」は、明治、大正頃まで栽培されており、現在では幻となったものを年月をかけて復活させ原料数量になるまで増やしたものであるとか。「日本侍士の会」の御苦労は大変であったろうと推測される。さて、使用している芋は源氏芋で中は白色をしてる。焼酎造りに欠かせない水はと言うと、麗峰霧島連山の麓、財部、大淀川水系の源流がある「悠久の森」入り口で採取されたもので、非常ににまろやかで柔らかく、超軟水であるそうである。
 この、「侍士の門」が福岡で購入できる酒屋は5軒だけのようである。幸い、我が家の周辺に購入できる酒屋やが数件あり、毎月定期的に入荷しているようで、タイミングさえよければそう苦労せずに入手できる。御当地の鹿児島では、全て予約で購入できないようである。
 さて、好きなロックで味わった。ほんのりと甘くとても飲みやすい。絹ごしの滑らかさである。芋のほのかな香りも楽しめる。この上品な甘さとのどごしは、特筆ものである。人気が出るのもうなずける。
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蔵本−萬世酒造 麹−米麹(ヒノヒカリ)・黒麹
原料−黄金千貫  購入価格−\2,678
購入年月 H18.4




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 行きつけの酒屋さんの主人の薦めで購入してみた。この焼酎は、全国いもづるの会のプライベートブランドである。いもづるの会の会員で、芋の苗植えから、芋堀までを自ら行い、安心安全なおいしい芋から造られたものであるそうだ。「いもづるの会」は、有名銘柄を追う事無く、種を播き稲を育てて収穫を喜ぶ生産者の様な純粋で謙虚な精神を基に焼酎を文化として考えて焼酎を広く広める活動をしている会であるとのことである。この会が萬世酒造に依頼して造ったものである。
 初めは、芋の薫りが強く感じられ、抵抗があった。しかし、飲み進めるうちに、芋の薫りが適度に個性を放ち、まろやかで、甘みを感じるようになった。どこか、ほっとする味わいである。最近、飲みやすくすっきりしている焼酎が多い中、この「いにしえのいろは歌」は芋の福与かな薫りを放ち、優しい甘みを放つ焼酎である。この焼酎はいもの存知をしっかりと感じ、特有の香りで好き嫌いが分かれるところであろう。
蔵本−児玉醸造合名会社 麹−米麹・白麹
原料−紅芋寿  購入価格−\3,300
購入年月 H18.7

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 2007年5月20日現在、この蔵の杜氏は宮崎県出身の29才である。100年以上続く老舗の酒造場「金丸本店」に生まれ、手造りにこだわり、全国でも非常に人気の高い芋焼酎「杜氏潤平」を世に送り出したのが3年前である。当時若干27歳である。幼い頃から酒造りに興味を抱いていた潤平さんは、東京農大醸造学科に進学し、卒業後は手造りの清酒で知られる神亀酒造(埼玉県)で二年間修行を積み、宮崎に戻ってからは黒木本店で焼酎造りを修行し、現在に至っている。
自分の代で酒造場を廃業にした父の一夫さんと潤平さんの夢は自分たちの手で自分たちの焼酎を造ることだったそうである。その夢に向け、動いたのが2000年秋、宮崎県日南市飫肥にある廃業寸前の焼酎蔵を一夫さんが買収した。親子は新しい焼酎造りに向けスタートする。質や手造りにこだわり誕生した「杜氏潤平」は、醸造酒のようなまろやかな味わいが特徴であるそうである。
 そんな「杜氏潤平」はプレミア焼酎として取り扱われている。ネットで調べてい見ると7000〜10,000で販売されていて、驚いた。ある酒屋では、1.8Lの潤平が伊佐美とのセトで8,800円でおいてあった。近所のある酒屋では、店頭に並ぶとあっという間になくなり姿を見かけることはまれである。 そんな「杜氏潤平」だが、ぐいぐいと飲める。薫りは、ロックで飲んでいるためか、あまり感じない。アルコールのぴっりとした感じは、全くしない。飲みやすいが、自分には物足りなさを感じる。生でそのまま飲んでみるとさわやかで、香りも立つが生で飲むのは自分の好みでないし、強すぎる。
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蔵本−萬膳酒造 麹−米麹(ヒノヒカリ)・黒麹
原料−黄金千貫  購入価格−\3,1000
購入年月 H18.5

 霧島町の山中で昔ながらの製法による焼酎づくりに挑む、万膳酒造代表の万膳利弘さん(39)。手づくり麹を用いたカメつぼ仕込みで、蒸留機も木製のたるを特別に仕立てた。霧島山系の軟らかな水が味をひきたてる。同酒造は1922(大正11)年創業。万膳さんの父が三十年前に急死して焼酎製造は途絶え、販売だけを行ってきた。造りの復活については「息子の代にでも…」と漠然と考える程度だった。その思いを息子の素朴な一言が揺るがした。六年前の豪雨災害後、甲突川五石橋が解体される様子をテレビで見ていた当時小学二年の息子がつぶやいた。
「お父さん、歴史って守るものじゃないの」万膳さんはおじで川辺郡笠沙町の黒瀬杜氏、宿里利幸さん(67)に相談。宿里さんも「杜氏の技術を後世に伝えたい」と技術指導を喜んで引き受けた。「どうせなら昔ながらの製法で」。自然通気による手作りこうじに始まり、一次・二次もろみはカメつぼで仕込む。蒸留機も木だると錫(すず)製の冷却蛇管に。木だるや錫製蛇管の技術者も数えるほどしかいないが、こうした匠の技も杜氏の腕と同様、焼酎文化を支えてきたとの思いからだ。万膳さんは「厳しい焼酎業界を生き残るには、造り手と売り手が信頼関係で結ばれる付加価値の高い焼酎づくりが不可欠だ。焼酎文化の継承も担っていきたい」と話している。「機械製法を否定する気は毛頭ないが、こんなバカがいてもいいのでは」そういう萬膳さんを、利き酒師の資格を取った妻のひろみさん(39)がバックアップする。「家族の支えが何よりの力」と氏は照れながら語った。(資料提供:南日本新聞社) 平成11年11月約30年ぶりに霧島山中にて手造り工場を再興したのであるが、蔵のある霧島山中は、とても綺麗な水の湧き出る所で、その場所を買い取り蔵を造るまでにとても長い時間かかったそうである。
 そんな、萬膳酒造が造る「萬膳」は、人気を呼びプレミア焼酎となっている。特約店すら店頭に並ぶことはなく、飲み屋や古くからの常連の客にしか行きわたらない状況である。我が家の近くにある萬膳の特約店に、何度か顔を出したがとても売ってもらえそうな状況でなかった。また、他の酒屋さんでは、お中元用時にセットで店頭に置かれることがあるだけである。そのような状況の中、ネットでは10,000円前後で取り扱われている。 
 萬膳5に水2の割合で前割りしたものをロックで味わってみた。ほくほくとした芋の薫りが広がる。そして、ほんのわずかにすうっとするアルコールの刺激を感じる。すっとのどを通してしまう。木樽蒸留機のせいだろうか、すこし独特の香りがする。
 今日は、お湯割りで試してみた。薄くわってみ他にもかかわらず、いもの甘みとほくほくした感じを楽しめる。また、お湯で暖かくなっているにもかかわらず、アルコールの刺激感を感じない。自分は、お湯割りは好みでないが、この「萬膳」では、おいしいと思った。
蔵本−三岳酒造 麹−米麹・白麹
原料−黄金千貫  購入価格−\1,803
購入年月 H18.5

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 この「三岳」は、屋久島で造られている。屋久島は鹿児島から南へ約60kmの海上に浮かぶ、九州最高峰の宮之浦岳などが連なる降雨量が多い島であり、世界自然遺産に登録され縄文杉など手付かずの大自然の残る島である。「三岳」は、この大自然に育まれた雄大な森林から湧き出る水を使っている。この水は、日本名水百選にも選ばれた水であり、三岳のさわやかで透明感のある味わいには欠かせないものである。
 蔵の生産量が少ないため希少な焼酎になりつつある。「三岳」は、屋久島にある有名な宮之浦岳・永田岳・黒味岳の三山から命名されたそうである。屋久島の清冽で豊かな水を使い屋久島産のサツマイモを原料とし、カメで1次仕込みを行っているそうで、平成17酒造年度鹿児島県本格焼酎鑑評会入賞している。なかなか酒屋の店頭に置いてあるのを見かけない。
 今回購入した「三岳」は、ゴールデンウィークに岩田屋で探検九州フェヤーが開催されているとのことで、いい焼酎が販売さてないかを期待して、7Fの特設会場に行ってみた。しかし、そこの会場では佐多宗二商店の焼酎しか置いてないので、地下1階酒売り場をのぞいてみた。すると、この「三岳」がおいてあった。これはラッキーと思いすぐ購入してみた。
 さて、このところ「三岳」をロッで飲んでいる。とても透明感があり、飲みやすい。アルコールのつんとくる感じは全くない。とてもさわやかで、とても幸せな気分にさせてくれる。香りはというと芋の薫りが、ほのかに広がり香ばしい香りがする。すっきりとした清涼感が自然ともういっぱいと杯を進めてしまう。きっと、屋久島の水もこの清涼感に貢献しているのだろう。人気が高いのもうなずける。ネット市場では、4,000円前後の値段で売買されていて、プレミア焼酎となっている。またまた、お気に入りの焼酎ができてしまったが、なかなか見かけることことがないのが残念である。以前、近所の酒店で1本だけ店頭に出されていたのを見かけたがそのときは購入しなかった。今となれば悔いが残る。これからは、見かけたら迷わず購入することにしよう。
蔵本−佐多宋二 麹−米麹・白麹
原料−黄金千貫 購入価格−\1,260(720ml)
購入年月 H18.5

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「晴耕雨読」という商品名から、硬派でしっかりした印象や堅実な印象を受ける。毎日しっかり働いて、夜は旨い焼酎で疲れを癒すと言う意味合いもあるのだろう。その考えには共感できる。さて「晴耕雨読」は佐多宗二商店の主力商品である。若干の米焼酎を隠し味にブレンドすることで芋の風味を押えた飲みやすくした芋焼酎である。貯蔵を半年以上行い味を調和し、出荷するそうである。
 飲んでみると、大変飲みやすく甘口ですっとのどを通る。いつも、ロックでのんでいるが、芋焼酎が初めて人にもそう抵抗なく味わえることができる1本である。「晴耕雨読」の黒麹仕込みも発売されているが、どんなものであろうか。
 この蔵は、大量生産方式や手作りにこだわった焼酎造りなど、多方面から焼酎造りに挑戦している大きな焼酎メーカーである。
 さて、この「海童」は黒麹仕込みで、手間暇をかけて丁寧に醸され、味と香りのバランス、風味、原料の特徴が出ていて、黒麹独特の軽く爽やかな味わいに仕上がっているそうだ。
 早速、ロックで飲んでみた。癖がなく甘い。すっとのどの入っていって、何杯でも飲める。強烈な個性には欠けるが、とても飲みやすく軽く、甘みも広がる。価格と味を考えると、優秀で毎日の気軽に飲める1本であろう。
 さて、この「摩無志」いろいろ調べたが、どうやらプライベートブランドのようである。決まった酒屋さんしか入手できない品のようである。 朝10時にある酒屋さんに行くと、お人様1本というカードがはってあり、1本だけあった。また、「摩無志」と言う銘柄に聞き覚えがあり、購入してみた。裏ラベルによると、「己をみがいて無となりうまい芋焼酎を造る志のため日々精進する」とある。このことからも、こだわりをもって造っているのだろう。そんな「摩無志」は甕仕込み、甕貯蔵とのことである。
 このところこの「摩無志」を前割りしたものをロックで飲んでいる。つんとくる感じはなく飲みやすい。ほんのりとした甘みと芋の香りを感じる。アルコールのぴりぴり感がなく飲みやすいのはしっかり熟成をしているのだろう。「摩無志」という銘柄から連想する強烈な味わいとは裏腹に、やさしくほんのりとした味わいであり、質の高い焼酎であると思う。
 このように、二年以上も熟成期間をとっていることは、採算から考えると負担であろう。にもかかわらず、こうやって手間暇をかけることがおいしい焼酎を造りだすことにこだわっている蔵本の姿勢に敬意を表したい。また、この「き六」のみならす「山ねこ」など「黒木本店」さんの焼酎は全体的に安い。これもまた、ありがたいことである。 この焼酎もプレミアがついて、ネットでは4,000〜5,000で取引されている。
 そんな「き六」だが、口当たりは、やや辛口である。すっきりさわやかで、芋臭さは感じない。さわやな印象である。また、口の中で、酒を踊らせてもアルコールのぴりっとする感じもなく、口に優しい。ここいらは、長期熟成の効果であろう。2年間もの時間を費やし熟成させているのがうなずける。やはり、うまい。
 さて、この「なかむら」を造る中村酒造は、明治21年の創業以来、麹室でモロ麹を使い麹を造る、全てが手造りの焼酎蔵であるそうである。そこで造られる『なかむら』は、原材料の芋に有機栽培の芋を使っているそうで、そのため契約農家の都合などもあって、特に需要の多い3月と7月と11月の年3回しか出荷されない。その3回に出荷される分も、特約店さんにしか出回らず、その特約店でも手に入れることが難しいという。なるほど幻の一本と言われるわけである。この「なかむら」はカルゲン農法で作られた[ヒノヒカリ]を麹米に、河内白麹で麹を作っていくのだそうである。カルゲン農法を調べてみると、土壌の中に有機石灰を投入することで、土壌が固くなることを防ぎ、微生物の働きを活発にし植物と共生する農法のことである。主原料の芋には黄金千貫を使い、霧島山系の伏流水で丁寧に仕込んでいくのだそうだ。そうやって仕込まれたもろみを常圧蒸留にて醸成していくのである。
 さて、いつものようにロックでいただいている。何とも上品でほんのりとした芋の甘みと香りが口にひろがってくる。この甘みと香りは、しつこくなく、さっと広がりすっと消えていく。アルコールのつんとする感じもしない。雅で上品な質感である。口に含むと、優しい香りと甘みが広がり思わずにんまりとしてしまい、いつまでも飲み続けてしまいそうである。さすがに人気焼酎だと納得した。これは、いつもキープしておきたい。